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「 拓魂 第6号」 昭和48年12月25日発行

『株で儲けた所得の税金』

短大2期 山本史郎

学友諸兄の中には、株を手掛けておられる人も多いと思いますので、有価証券の継続的取引から生ずる所得、とりわけ個人の場合の課税関係について申し上げましょう。所得税法によりますと、有価証券の譲渡による所得は、原則として非課税とされてます。例外として事業等の譲渡に類似する有価証券の譲渡、営利を目的に継続的に有価証券を売買したり、同一銘柄の有価証券を相当する買い集め、その所有者である地位を利用して、その発行法人等やこれらの者の依頼する者の斡旋により売却することによる所得等は非課税とはならず、事業所得、または雑所得として他の各種所得と総合して課税されることになります。営利を目的として継続的に株式等を売買することによる、所謂有価証券の継続的取引から生じた所得については、所得税を課税することとし、有価証券の売買の回数が年50回以上であり、且その売買をした株数や口数の合計が20万株以上であるときは、その有価証券の売買による所得は、有価証券の継続的取引から生じた所得とされることになります。この場合の株数や回数の判定は、すべての有価証券の売買を通じて行います。又、株式の売買については、今一度慎重に行動する必要があるとともに、更に売買に伴う資金の出所についても明確にしておく配慮が必要です。


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